
こんにちは。アメリカ在住英語力ゼロの駐在妻サカモトです!
私たちは2年前、小学6年生、3年生、2年生、1歳だった子供達を連れて夫の海外赴任に帯同しました。現在、2年経ち長女は現地のミドルスクールに通う中学2年生です。
渡米が決まったとき、もちろん不安もありました
言葉も文化も違う中で、ちゃんと学校になじめるのかな…?
「日本の勉強についていけなくなったらどうしよう…?」
「でも、海外ならではの経験ができるチャンスかもしれない…!」
そんなふうに悩みながらも、家族一緒にいることを大切にしたいと、私たちは一歩を踏み出しました。
海外赴任に子どもを帯同することの“リアル”
中学生という思春期の大切な時期に、まったく新しい環境へ飛び込むことは、本人にとっても親にとっても大きなチャレンジです。
でもその分、海外生活だからこそ得られる「成長」や「気づき」もたくさんあります。
思春期の大切な時期に、新しい環境へ飛び込むことは、本人にとっても親にとっても大きなチャレンジ。
調べた限りでは「大変だったけど来てよかった!」という声が多く、私も「きっとなんとかなる」と思っていました。でも、現実はそう甘くなかった…。
もちろん、貴重な経験もあります。でも慣れるまでの道のりは本当に大変で、、2年経った今でも学習面では本当に苦戦しています。特に中学生の長女は現地校での悩みも多く、家族としても手探りの日々が続いています。
この記事では、私たち家族のリアルな体験から見えてきた「中学生を連れての海外赴任」について、メリット・デメリットを正直にまとめました。同じように悩んでいるご家庭の参考になれば嬉しいです。
・中学生を海外赴任に帯同したメリット
・実際に感じたデメリットと本音
・どちらが良いのか
私自身の体験をもとにしたリアルな声です。
良いことばかりでもなく、大変なこともある。だからこそ伝えたい、海外子育ての現実。
これから海外赴任を控えている方、悩んでいる方にとって、少しでも参考になれば幸いです
中学生を帯同して海外赴任するメリット


1. 英語が日常にある環境に身を置ける
海外で生活する最大のメリットのひとつは、自然な形で英語に触れ続けられる環境に身を置けることだと思います。
娘も毎日、現地のミドルスクールに通う中で、先生の指示やクラスメイトの会話を「聞いて理解しよう」と耳を傾けています。
たとえ言葉がすぐに出てこなくても、“英語が日常にある”という状況そのものが、英語を身につける一番良い環境だと思います。
英語を話せるようになりたくて留学を夢見る人も多い中、教科書の英語ではなく、毎日リアルな英語に触れられることは、本当に貴重な機会です。
うちの娘は性格的に積極的ではないので、自分から話しかけるのが得意なタイプではありません。
正直、現地の仲の良い友達はできていませんが、それでも外国人のクラスメイトと自然と関わるチャンスは、日本にいるよりずっと多くあります。
2. 違う文化に触れることができる
アメリカには、さまざまな国や文化の背景を持つ人たちが共に暮らしています。
学校の友達も国籍も宗教も違い、それぞれの「当たり前」が違うこともあります。その違いに触れる中で、「どちらが正しい、ではなく、いろんな考え方や価値観がある」ということを自然に受け入れるようになっていると感じます。そうした日々の体験を通じて、「正解はひとつじゃない」と自然に学べるのは、子どもにとって大きな財産になると思います。
日本で暮らしているだけではなかなか出会えない多様な世界を、肌で感じることができるのは、間違いなく海外生活の大きな魅力です。
これからの時代を生きる子どもたちにとって、柔軟な視点を持つことは大切な力だと思っています
3. 家族が一緒に生活できる
海外赴任に家族帯同でついていくことで、家族みんなが同じ場所で、同じ時間を共有できるのは大きなメリットだと感じています。
日々の生活の中で、私は夫を家事や生活面でサポートできるし、
子どもたちも、父親がそばにいるという精神的な安心感を持って過ごすことができています。
特に海外では、ちょっとしたトラブルや不安に直面することも多いので、家族が近くにいること自体が、大きな支えになると改めて感じています。
また、学習面でも家族の協力が欠かせないことを実感しています。
日本にいたら、中学生になった娘に親が勉強を教える機会はほとんどなかったと思いますが、
アメリカに来てからは、毎日私や夫が一緒に勉強をサポートしています。
「助け合いながら乗り越える」経験を通して、自然と家族の絆が深まっていると感じています。
もちろん、単身赴任や片親で頑張っているご家庭にも、それぞれの素晴らしい形があると思います。
ただ我が家の場合は、家族みんなが一緒にいられることが、心の安定にもつながっていると実感しています。
慣れない海外生活を乗り越える中で、家族同士の結びつきがより強くなったと感じます。
4. 旅行に行ける
海外赴任中は、近隣の州や国への旅行も比較的気軽にできるようになります。
娘とも一緒に、アメリカ国内はもちろん、周辺の国々を訪れる機会がありました。
小さな子どものころに行った旅行は、正直なところあまり記憶に残らないことも多いですが、
中学生ともなると、歴史的な背景を知ったり、文化の違いを肌で感じたり、旅先での出会いを深く受け止めることができます。
有名な観光地を巡るだけではなく、現地の人々の暮らしを見たり、その土地ならではの空気を感じたり――
「本物に触れる体験」が、子どもの心に大きな影響を与えていると感じています。
実際に、旅先で見た風景や人をきっかけに、子供の労働環境やゴミの問題などの話題になったこともあります。
海外での旅行は、ただの楽しい思い出づくり以上に、人生において大きな感じ方の変化をもたらしてくれる貴重なきっかけになると思っています。
実際に感じたデメリットと本音
正直、海外赴任に中学生を帯同することはデメリットも多いと思います。特に間違えを怖く思ってしまったり、積極的ではなかったり、英語があまり好きでない場合は特に難しいと感じています。


1. 英語が思ったほどは伸びないこともある
私自身も、まだ中学生だし海外に行けば自然と英語が話せるようになるそう思っていました。
けれど、実際は性格や環境によって成長のスピードは本当に人それぞれです。
娘はもともと控えめな性格で、自分から話しかけるのも苦手。2年経った今でも、日常会話がスムーズにできるというところまでは至っておらず、本人も「英語が嫌」「日本に帰りたい」と感じることがあるようです。
正直、現在は英語もできず、日本の授業も社会、理科はほとんどしていないので、アメリカへ来たことが、マイナスにしかなっていないと感じています。
日本に帰国した時にせめて中学の英語はできるようにと毎日夫とフォローしている状況です。
2. 日本の学習内容が抜け落ちがちに
英語は現地校でも学べますが、日本の社会・理科はほぼ触れる機会がありません。
娘は補習校に通っているため国語・数学は一応授業でカバーしています。それでも週1回の授業になるので、現地校の勉強に加えて補習校の勉強ととても大変です。
特に漢字の読み書きや語彙力は、使わなければ確実に落ちていくのを感じています。
理科・社会に対しては通信教材を使ったり、漢字検定を受けてモチベーションを上げたりしていますが、日本での隔週内容を低下させないためにも相当の努力が必要になってくると思います。
3. 友達作りが難しい
ミドルスクールでは自由時間が少なく、仲良くなるきっかけをつかむのも簡単ではありません。
娘の通うミドルスクールでは、生徒同士のトラブルを防ぐため、授業の合間も移動時間のみで行動するルールになっています。
休み時間と呼べるものはほとんどなく、トイレに行くのも授業中に先生へ申告して許可をもらうほど厳しい決まりがあります。
そのため、友達と自由におしゃべりできるのはランチタイムや授業の合間に少しだけ。
娘には日本人のお友達が数名いるので、その子たちとは話していますが、現地の子どもたちとはなかなか仲良くなるきっかけがありません。
日本に興味をもって話しかけてくれる子もいますし、いじめられているわけではないのですが、
英語での会話についていくのが難しく、娘自身も少し距離を置いてしまっているのかなと感じることがあります。
中学生という年齢もあり、小学生のように「一緒に遊ぼう!」とすぐに打ち解けるわけでもありません。
友達作りにはやはり苦戦している様子です。
アジア系の子とは挨拶を交わすくらいの関係はあるようですが、普段から会話を楽しむような「現地の友達」と呼べる存在はいないのが現状です。
日本にいたら、自然とできていたはずの”友達との何気ない会話”。
それが思った以上に難しいことも、海外で生活する中で感じている現実のひとつです。
4. 帰国後の進路選びが悩ましい
中学2年生になり、そろそろ高校進学について本格的に考える時期になってきました。
このまま日本の高校受験に合わせて家族だけで帰国するのか、高校に編入するのか――選択肢はいろいろあります。
帰国子女枠という制度もありますが、実際には国際科など、英語力を強みとすることを前提にした学校が多いのが現実です。
我が家の場合、英語に対して苦手意識がある娘にとっては、むしろそのことが大きなプレッシャーになってしまうのではないかと、不安を感じることもあります。
かといって、理科や社会など、日本のカリキュラムに沿った勉強が十分にできていない状況で、一般受験に挑むのも簡単な道ではないと感じています。
何を選ぶのが娘にとって一番良いのか。
今も模索しながら、家族で少しずつ話し合いを重ねているところです。
5. 「日本にいたらできていたことも」と思うときもある
親の都合での海外赴任。
日本にいたら友達と遊んだり、部活に励んだり、青春をもっと楽しめていたのかもしれない。今まで続けていた習い事などやめざるを得ないこともあります。
そんなふうに感じる瞬間も、正直あります。
親の都合で決まった海外赴任。
もし日本にいたら、友達ともっと自由に遊んだり、部活に打ち込んだり、
そんなふうに思うことがあります。
これまで続けてきた習い事をやめざるを得なかったり、
当たり前にできていたことができなくなってしまったこともありました。
とても貴重で大切な時間、娘の青春奪ってないかな
そんなふうに思い、ふと心が痛くなる瞬間も、正直あります
結局、帯同するかしないか──どちらが正解?
海外赴任に帯同するかどうかは、
結局のところ「どちらが正しい」という答えはないのだと思います。
子どもの性格や年齢、家族の状況、赴任先の環境によって、本当にそれぞれです。
だからこそ、家族みんなでよく話し合って、
「自分たちの納得のいく決断」をすることが一番大切だと感じています。
我が家の場合は、娘と一緒にアメリカに来る選択をしました。
もちろん、思うようにいかないことや、もどかしい気持ちになることもたくさんあります。
正直なところ
娘の今の状況を見ると、さまざまな面でマイナスに感じる部分多くもあります。少し厳しい言い方になりますが、中学生以上の年齢での帯同は、本人の努力はもちろん、家族のサポートも不可欠です。もし中学生のお子さんを連れての帯同を検討されている方がいれば、「覚悟」と「準備」をしっかり整えて臨むことをおすすめします。
それでも、「帯同してよかった」と心から思えるように、
これからも、英語が得意ではないなりに、娘をサポートし続けたいと思っています。
子どもにとって、海外で過ごした日々がいつか「かけがえのない経験だった」と感じられるように。
そして、私たち親にとっても、家族で過ごした時間が、かけがえのない宝物だったと思えるように。
そんな未来を信じて、今できることを積み重ねていきたいです。
まとめ
海外赴任の帯同には、メリットもあればデメリットもあります。
簡単なことばかりではないけれど、家族みんなで支え合いながら乗り越えていけるものだとも感じています。
一番大切なのは、「こうしなきゃいけない」と思い込まず、
家族それぞれの想いや状況に寄り添った選択をすること。
そして、どんな選択をしたとしても、
それを「よかった」と思えるように、前を向いて歩いていくこと。
今、海外で奮闘しているご家族にも、これから帯同を考えているご家族にも、
少しでも参考になったり、心が軽くなるきっかけになればうれしいです。