~英語が伸びない、実体験からわかった親のサポートのヒント~
海外生活において、翻訳機能は本当にありがたい存在。
でも、便利なツールに頼りすぎた結果、子どもの英語力が思ったように伸びなかった…そんな実体験を今日はシェアしたいと思います。

中1の長女がまさかの“読めない・話せない”!?
海外赴任が決まったとき、正直、いちばん心配だったのは現在中学生の長女でした。本人も最初は「学校に行きたくない」とかなり嫌がっていましたが、3カ月ほど経つと生活にも慣れ、学校の宿題も自分でこなすようになりました。
実際、ミドルスクールの宿題は授業中に終わることも多く、タブレットで提出するので、私はあまり関わる機会がありませんでした。それよりも、小学生の次女三女のサポートや幼児の息子に手がかかり、長女の英語に関しては「まじめにやってるし、大丈夫だろう」と思っていたのです。
そんなある日、渡米して1年が経ったころのこと。ふとした会話で、娘が英語をほとんど読めていないことが発覚します。

chairって読める?



シーアラー?



…えっ?
まさかと思って、次に「choice」を聞いてみたら「…?」。絶句しました。
英会話教室も塾も通っていたのに…なぜ英語が身につかなかったのか?
長女は日本で、英会話教室に3年、塾にも2年間通っていました。だから、アメリカで現地校に通い始めても、ある程度は英語が通じると思っていたんです。
でも――1年経っても、英語がまったく身についていなかったのです。
「どうして? 何が原因だったんだろう?」
そう思って、授業や課題をどうやってこなしているのか本人に聞いてみたところ…
なんと、授業中も宿題もすべてコピーして翻訳機能にそのまま貼り付けしていたことが判明!
「わからなくても、とりあえず翻訳すればなんとかなる」と、本人。
その結果、自分で単語の意味を考えることも、文の流れを読み解くこともせず、丸1年が過ぎてしまいました。
身についたのは、変な翻訳された日本語を“解読”するスキルだけ。
翻訳機はたしかに便利です。
でも、その便利さが、子どもにとって大切な「考える力」や「英語を使う力」を確実に奪っていた――。
ようやく私はその現実に気づかされました。
一方で次女は翻訳機ナシで英語力アップ!
対照的だったのが、小学2年生で渡米した次女。最初の1年間は翻訳機OKの先生だったため、あまり英語は伸びませんでした。しかし、3年生になって担任が「翻訳機禁止」の方針の先生に変わったとたん、状況が激変しました。
最初は戸惑いもあったようですが、すぐに環境に慣れ、自分の言葉で伝えようと努力するように。今では友達とも自然に会話ができるようになり、文脈から意味を推測する力も身についてきたように思います。
親も「翻訳機使用」を見直すべき
実は私自身も、ほとんど翻訳アプリに頼りきりでした。学校の連絡、買い物、先生とのやりとり…。すべて翻訳アプリなしでは対応できなかったんです。
でも、それを見ていた子どもはどう思うでしょうか?
「ママも翻訳機使ってるから、私も使えばいいや」そう思わせてしまっていたのかもしれません。
今は、翻訳アプリを「辞書」として使うように工夫しています。たとえば文を丸ごと入れるのではなく、わからない単語だけを調べる。
少し手間でも、その積み重ねが英語力につながると信じて。
翻訳機は“補助輪”。使い方次第で、英語力に大きな差が出る
翻訳機は本当に便利なツールです。使い方を間違えなければ、海外生活において強い味方になります。でも、それに頼りきってしまうと、「自分の言葉で考える力」「英語で伝える力」が伸びにくくなってしまうのも事実。
特に中学生以上になると、環境適応が難しくなる分、自分の力で乗り越えないといけない壁も増えてきます。
翻訳機=“命綱”ではなく、“補助輪”に。
必要なときだけ使い、少しずつ自力でこげるように。
これから海外に行かれる方には、そんな意識で翻訳機と付き合っていってほしいと思います。
最後に:これからの学習への取り組み
長女は今、小学生レベルの英語教材から再スタートしています。焦らず、でも地道に。翻訳に頼らずに“自分の力で理解する”ことを意識して、少しずつ進んでいくつもりです。
親としても、子ども任せにしすぎず、適切なサポートが必要だったと反省しています。
この失敗談が、どなたかの参考になれば嬉しいです。